君がゆくから
走っていきたかった私
多分ずっと
あの頃のままだ
人々は流れ
私は小さな岩か何か
削れていきはするけれど
そこを確かに動かない
きっといつか流れてゆく日があるのだろう
けれどその頃にはもう
自らがそこに居ることすらも覚束ない
とても軽い私になっているだろう
君が何も言わぬから
隣に居ようと思った私
多分ずっと
あの頃のままだ
人々は流れ
私は小さな岩か何か
磨かれてはいくけれど
全てを好んで受けたわけではない
きっといつか忘れていく日があるのだろう
けれどその頃にはもう
数えられる程度のいくつかだけを持つ
言葉の要らぬ私になっているだろう
君がいつか
私を拾い上げ
あるいは見つめ
思うことが生まれるのなら
それは恐らく
あの頃の私たちが
確かに変わり至った証だろう
奇跡の類の果てだろう
本日も、読んで下さりありがとうございます。水滴は、流されないことの難しさに憧れる。岩石は、流されていくことの難しさに憧れる。