透明です

今年あるものが
来年もあるわけではなく

今日あるものが
明日もあるわけではなく

今あったものは
もう今には無いかもしれない

夕暮れが
朝焼けが
今日も語るように
揺れていきます

私が夢で泣いたのは
もう昨日になった今しがたのこと

あなたが確かに愛したのは
そんな風に変わりゆく誰かのこと

揺らめいているのです

止め処なく
流れていくのです

飲み干した珈琲
溶け始めた氷たち
オレンジジュースに濡れたストローも
過ぎ去った世界なのです

殆どの人は
私にとって透明です

あなたにとって
私もそうかもしれません

けれど時折
稀に私には
あなたには
煌めいて見える誰かがいるのです
何かがあるのです

もう逃したら
すぐには出会えないような
二度と見かけることもないような
煌めき

今が輝くのなら
それはとても確かなことです
私にとって
あなたにとって
とても確かなことなのです

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。澄んだ心で今を見つめる。