新幹線車窓世界譚

時速何キロだったか忘れたまま走っていく新幹線、追い越されてく車を窓から眺めて目を閉じて発つ夕暮れ。澄ました顔して疲れて旅して恋して愛して泣いて笑って、無関心なまま回る世界に乗っかって今日も蒸す煙草に飲むアルコールに一体何の罪があるんだいって問うならみんなやっぱり大していい人じゃなかったりするんだろう実は。

私の美しさに負けるくらいのあなたの格好良さならば、軸足ずらして踊り果てるみたいな意味不明な光に惚れるほうがよっぽど笑える気がするんだがどうだろう。答えてくれたらそれだけで嬉しくなれる問いかけばっかり抱えて生きてきたから答えよりも本当は、どうだろうねって返してくれるならそれが一番健やかになれる気もする山手線で向かう終電後から始まる世界。

愛って買えるよとテレビの中の誰かが言ってて、YESでもNOでもどっちでもまずはいいから判断できるくらいの愛の果てまで一体どれだけの人が行けるんだろうねって思ったところで答えもないから個別具体の経験と結果を以ておあいことしましょう皆さん。そうやって保たれてきた世界の均衡、平和っぽい世界。まぁなんだっていいからさ、美味しい刺身をつついて目を閉じたいな喧騒の夜。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。景色が見たくて窓側の席に座ったのに、あっという間に寝ちゃったんです新幹線。