夜と僕

僕の心に声があるなら
きっと普段の声とは
違うことを語り出すんじゃないか

それが人というものなのだと
素直に思えた夜はきっと
僕も大人になっていたんだろう

飲み干した苦い缶コーヒーが
溶けて更けゆく夜と僕

誰かに名前を呼ばれる嬉しさを
忘れてしまう怖さに怯えて
心の声を暫くミュートにしたまま過ごしていたら
いつの間にやら色んなことを忘れてしまったみたいな夜と僕

どうだい無音の世界はさ
笑うは果たして誰が為だろう
巡る季節は一体全体誰が為だい

その答えを知る由もなく
渇いた声で上機嫌で語らい過ごす夜と僕

塞がれたまま叫び続ける
歌い続ける心を持って更けゆく夜と僕

明けたらねぇ
思い出せるかなあなたの声を
美しいあのメロディを

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。いついかなる時も、健やかなる自分の声を頼りに、素直な心の機微をそよ風に、明け方の世界からまた、新しい景色の方へ、美しい未来の方へ、漕いでいきたいだけなんだ。