静かな夜に

広く育った木々の中
静けさを住まいに養われ

木漏れ日や鳥のさえずり
足跡を知らない苔や雪

誰も何も
邪魔することなく土へと帰る
雨水や草花たち

星空に見守られ
夜を明かす緑と共に
人知れず語らい笑う
森の可憐な民と民

そんな数多の
愉快に優しく
時に激しく緩やかな
隣人たちに囲まれ育つ
自分という名の自然が一つ

そこから放たれ
あるいは零れ
流れやがて辿り着いた
言の葉の美しさに
照らされ光る自然も一つ

その連なりの果て
重なりの中
巡り巡って吹く風があり
響く歌声
伝う笑顔の音がある

本当も落書きを読んで下さりありがとうございます。人生に味見はいらないのだと教わった時の言葉の響きを、何度だって思い出す夕べ。