初夏と誰かが口にして

初夏と誰かが口にして、
あぁそうか、
もう始まりそうなのだと思う。

きっとまた、
初めての夏がやってくる。

これまでの夏なんて忘れてしまって、
そうそうこれを待ってたんよねなんて思わず言ってしまうような数ヶ月が、やってくる。

そう信じてみたくもなる夜の風。
半袖とワンピース姿が向かう海岸線。
空に響く夏の音。

行けるとこまで、
行ってみたいと思わずにはいられない青空。
見つめて歩く広い道。

いつか落としたふりして隠したままの宝箱はまだあの大きな木の下か、公園の砂場のどこか。

子供の頃から変わらず巡った季節の中で大人になった私たち。変わらぬ何かをきっとどこかに宿して育てて守って大人になった私たち。

そう思わずにはいられぬ程に、
懐かしい程新しい夜の肌触り、青空の味。

生きてきたんだまたこの季節まで。

本日も落書きを読んでくださりありがとうございます。来るねもうすぐ大きな入道雲にスコール、海の香りに果てなく澄んだ青空の日。