鳥が鳴いた。
僕は見上げる。
晴れた空が瞳に溶け込む。
日が照った。
眉をひそめる。
世界が少し暗く涼しく小さくなる。
夢を見た。
起き上がり思い出す。
徐々に薄れていく景色の音に耳を澄ます。
どんなに語り合った処で、今この時が掌から瞳の奥から零れ落ちてゆくのをどうすることも出来ないまま、僕等は大地と共に廻り続けて、宇宙を彷徨う星々と同じ。
地球も宇宙も夕暮れ時に交わした会話も飲み干した麦茶も珈琲も、僕と同じく、あなたと同じく、廻り続けて、巡り巡って、もう何度目かの、何千回目の出会いだろう。
そんなことを知らぬまま気づかぬままに僕もあなたも呼吸し語らい抱き合い眠り巡って今日もゆく。
そのたった一時が重なり積まれて呼ばれる今日なのだから、もう少し喜んでみても、笑ってみても、驚いてみても、いいのかもしれない。いいんだろうなと、思う。
本日も落書きを読んで下さり有り難うございます。ありがとうを、有り難うと書いてようやく、何かが、何もかもが、そもそも其処に、此処に有ることの難しさについてを思い出す。