記憶の足跡など

大雨の中、車を走らせていた。
ラジオから名曲たちの声がして、なんだかふと信号待ち。あ、映画のワンシーンみたいだ、なんて思う。

雨粒たちの作った背景の中、みんなして主役を演じるカメラロール。主題歌もきっと違うあなたの映画は、どんなロードムービーだろうか。

想像してたら青信号。少し急いでアクセルを踏む。後ろに車もいないし、誰に急かされていたわけでもないから、今の焦りはどこへ旅立ったんだろうなんて思う。

目的地に着き、車を降りて目に入った人の姿。洋服に入った折目は一体何の記憶の足跡だろう。

今日一言目に交わした言葉は、一体どこで拾った音だろう。いつの自分が覚えた誰の言葉だろう。

大きくなった僕の背は、伸びては切られるあなたの髪は、汚れては洗われていく服たちは靴たちは、一体何をどこから背負って来たのだろう、行くのだろう。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。綺麗すぎる洋服よりも、着慣れた少しシワのついた服のほうが、実は好きかもしれません。