33

宿への帰り道。「22歳になったときはシアトルにいて、33歳になったときはカリフォルニアにいるなんて想像もしなかったなぁ」「そしたら44歳はシアトル支店で迎えたらいいんじゃない」、母の軽い返答。「あはは、そうだね。ナイスアイデア」、けどシアトルにお店作るのはもうちょい早めがいいなとか、大真面目に思う。

“I left my heart in San Francisco”, and personally in Los Angeles, San Jose, San Diego, Seattle, and yeah, Bellevue. 旅の途中、父から教わったフランク・シナトラの名曲を思い出しながら、歌詞を勝手に付け加えて遊ぶ。眠る。ここまでの旅路を思う。

フリーモントアビーで広いホールに座る、寝転がる、ピアノを弾く。バラードでレコードを買う。両親を連れてシアトルを歩く。ベルビューの美しい家族の元へ案内する。

ロサンゼルスで野球を観る。ハリウッドでレコードを買う。マウンテンビューでシャツを買う。ゴールデンゲートブリッジを家族で渡る。素敵な店員さんにコーヒーを奢ってもらう。自動運転のタクシーに乗り、みんなして面白がる。

出発の日、空港のカウンターでパスポートを見せる。「Happy Birthday!」とふいに言われ、きょとんとする。「Yesterday is your birthday, right?」、ああそうだったそうだったと笑う。

本日も読んでくださりありがとうございます。両親をシアトルへ連れていけたという喜びと、家族で旅した日々の思い出が、感無量の誕生日プレゼントな心地です。33歳、雨上がりの空のように澄んだ私で、旅していきたいなと思っています。虹でも見つけて笑いながら。