どこへ向かってゆくのだろう
この世の中
暗闇の先
朝焼けの方
昼間の畦道
照り返す熱のまま
どこへ向けて放つのだろう
渾身の声
見つめる眼差し
握りしめる手
運んできた身体
耕した心
どこへともなく消えるのだろう
紡いできたすべて
私の元から旅立つやがて
音が鳴り響き遠くへ消えていくように
次第に小さく薄くなるのだろう姿
光のようだ
すべて
風のようだ
生命
路地裏が挟んだ青空が語る
汚れた靴がこちらへ笑う
知らぬ間にできた傷が愛でる
いついかなる時も
今ここへ向かったのだとついに知る
かけがえのない
などという言葉は不要だ
それを知る者たちには
唯一無二の
などと付け加える必要もない
それをわきまえた者たちには
あの鳥は故に今日も鳴き
あの猫は故に今日もこちらを見つめる
私は呼吸し
何を言うでもなくただ微笑む
どこへ向かってゆくのだろう
常に今へ
次なる今へ
どこへ向けて放つのだろう
終わりへ
新たな始まりへ
肌を撫でた優しさを追いかけるように
光になり
風と今
喜び
私
本日も読んでくださりありがとうございます。その気になれば光と笑い、風と語らうこともできる、今の豊かさ。