眠れぬ夜の前奏曲

声にならない
届かない言葉の涙
洗い流す
疲れた顔が忘れもの
取りに戻らず向かう先

伸びた前髪の分だけ守る素顔
昨日より少し自然体で歩ける
救えない人がいて悲しい日
救いを求めて聴き入る曲
いつもより遠くから鳴る気がする
届かない私

程よく美しい夜の残酷さ
ただ懸命に生きているだけでいいよと囁く
優しい声した平和の温もり
遠くから様子を見つめる夢の瞳

いくつかの夜を越える
川を渡る
赤信号を見つめ待つ
誰とも喋らずただ日を通る

やがて
顔を上げる
旅をする
出会う
笑う
願う
祈る
届け

泣きたいほどに嬉しくなる
もっともっと生きたいと思う

すべてを使い果たして尚
眠ることを許さなかった夜たちが
起き上がるなら今だと歌いやがて去る

朝だ