暑さが多くを忘れさせ
たったいくつか残すなら
強く握って離さずいたいな
風鈴みたいに軽やかに揺れる心
真っ白なシャツ
青い爪
汗伝う澄んだ髪色
鼻歌交じった助手席の窓
秋冬春をかけ
手塩に掛けて握ったような入道雲
味わいながら涼むなら
誰の隣 何処で一人
何を飲む
何をまとう
何を思う
綺麗事みたいな氷
溶かして私のものにして
涼やかな心
時を緩めて愛したいなら
呟いたのは私の中の少年少女
走り回る川辺に似合う大きな空を描く
彩る青と白をつくるべく
混ぜ合わせる唯一無二の自我と季節
残った色を頬に塗り遊び
青く白くなっていく私たち
世界はそれを羨みながら
赤く黒く冷めていく
暑さが多くを忘れさせ
たったいくつか残すなら
忘れぬように
或いは忘れるように
叫ぶだろう私にとっての宝の在り処
青いシャツ
銀の指輪
雨上がりの空に似合う声
架かる虹が似合う顔
遠くで風物詩が鳴る
たった一度の心が揺れる
さあ今何を思う