映画館は昔から好きで、気になる映画が始まると、少し世間と時間をおいてから、人知れず平日の夜に一番うしろの席を取って観に行く。
そういう人種が、世の中には少なからずいるものだよなと、スクリーンを前にしてポップコーンを頬張りながらあたりを見渡し、名も知らぬ人々と勝手に親近感を抱いて安堵しながら上映時刻を待つ。
周りに人が少ない映画館では、人は割とよく笑ったり、泣いたりしている気がするのは私だけだろうか。名作だったなぁとよく思い出すのは大抵一人で行った夜の映画館でのものな気がするのも、私だけだろうか。私だけでもよいのだけれど。
映画館がいまだにチケットの半券をくれるのが何故かちゃんと嬉しく、大事にしている。ライブのチケットもそうだ。思い出が形を成しているからだろうなと、いかにも科学的な根拠の乏しそうなことを、なんとなく思ったりしている。
本日も読んでくださりありがとうございます。だからだろうか、映画館が好きなんですとか、仕事終わりに一人でふらっと観に行ってますとか、そういう人と仲良くなることが多い気がする。私だけだろうか。私だけでは嫌だなぁこれは。