寝ぼけながら書いた詩が案外良かったり、軽く言った言葉が実はちゃんと響いていたり、きっと気になどしていないだろう仕草がずっと心に残っていたり。今日も世界は意図せず私を驚かせ、喜ばせる。
目的や行き先なんてものが、ちゃんと変わったりズレていったり、或いははっきり消え去ってしまって尚余りある楽しさ嬉しさ面白さが色々と生まれるような旅路。時間。それは一日二日じゃ難しく、一、二時間を共にしたくらいでは難しく、ある程度の長さと幅が必要だよなとつくづく思う。
そんなことを無性に思うからだろうか。夜更かしが好きだし、延々と景色を眺めて佇むのが好きだ。寄り道が好きだし、旅は適度に長い方が好ましい。
ふと、ハワイのゲストハウスで、洗剤を買い、大きめのコインを入れ、洗濯機を回し、その音を聞きながら木陰に座り詩を書いた時間のことを思い出した。程よい暑さに小雨が降っては止んでを繰り返す午後。まばらに廊下を行き交う人々。フランスから来たのだという女性と小話。緑の瞳。少し肌の焼けた僕。遠くで雷が鳴った気がした。塩味の風が吹いた。茶色の髪が揺れていた。
本日も読んでくださりありがとうございます。ちゃんと、豊かなひと時を味わい、何度だって求めて、生きていく。