始まりの恒星

始まる瞬間
私は終わりにとても近く
私は普遍の側にいる

あるいは
既にすべては
この目に映る光の中にあり

始まりと終わりに
何かを見出そうと私は
自分自身の声をした普遍とやらと
知らず知らずのうちに
会話する

もう何年も
独りにはさせてくれない自身とやら
声は確かに今日も言う
始まりとは終わりのことで
終わりとは始まりのことだよと
もうよく知っているじゃないかと
目を見て言う

だからどうした
それが始めることを辞める理由にはならないよ

だからどうした
それが始まることを惜しむ理由にはならないよ

終わりを望まず
続けることを辞める理由になど
なってたまるか

今宵も始まった
すべてを知った素振りで輝く光に告げる
今を生きる私にとっては
未来への不安など
戯言でしか無いのです

始まる瞬間
私はとても終わりに近く
私は普遍の側にいて
今この時を生きる限りにおいて
私にとって終わりすらも
味わうべき豊かな
今この時でしか無いのです

本日も読んで下さりありがとうございます。開演した夜に思った話。