夜に耽る

小走りで駅へ向かう日付変わってすぐのこと。朦朧としながら歩くまだ静かな街のこと。毎日思い出しては忘れる聴きたい曲とあなたの顔。浜辺に座る小石みたいに拾い集めて遊びたいだけ経験談。重ねた年に疲れて語るべきことの減っていく心持ち。胸に抱えた朝靄の中、一緒に過ごした夜のこと。そんな日には帰って少しギターを弾く。小さな音で新しい歌を書く。お湯を沸かして珈琲を淹れる。ヘッドフォンをして静かな音色を聴き耽る。同じ夜、あなたもそうであったらいいなと思う。何の話って笑いながら髪を乾かす。パジャマが光る。

本日も読んで下さりありがとうございます。欠片のようなものを書きたいと思いまして。