時間をかければ、人は多くのことができ、人は複雑なことができる。それに高値がつくとしてそれってさ、当たり前じゃん。少し年上のその人が言う。僕は頷く。
そうじゃなくてさ、一瞬で作り得たもの、生まれたもので、人が感動する。例えば偉大な写真家の撮る写真てさ、シャッターを押す瞬間は一瞬で、その刹那から生まれた写真に人は感動するわけでしょ。そして高値がつく。そういうものの方が神秘的で、面白いなって思う。そんなような話を、その夜、僕は人知れず、教わる。
一瞬で出来上がるもの。突発的に描かれた絵画。ジャクソンポロックもそうだったのかな。ピカソはどうだったんだろう。詩や歌詞、音楽も原曲はそうかもしれない。
見方を変えれば、それらは日々を肥やしにした直感によって、ある一瞬の光の記録のようなものとも言えるだろうか。
そうやって生まれる美しさと、年月をかけて試行錯誤が重ねられて生まれる美しさ。両方とも捨てがたいなとか思いながら、どっちつかずのまま歩く帰り道。
ジャズのライブもそうかもしれないなぁとか、昔ニューヨークでわけもわからず観たジャズのライブを思い出す。格好良かったなぁ。
本日も読んでくださりありがとうございます。色んな豊かなことを日々教わり、生きている喜び。です。