筆跡

書いていたのか
遠く昔

聴いていたのか
あの頃の私

どうして尋ねてくれたのか
すぐ隣で君

何を思って居たんだい
海の向こうに

答え合わせもできないまま
歩いてきた

辻褄合わせもしないまま
それでいいさとやがて笑った

擦り切れた靴底が
証明している

珈琲を零した染みが
訴えている

私が確かに汚してきた日々
削ってきた道程の痛みと喜び

滲んだインクが
証明している

黄ばんだページが
訴えている

私の心が震えていたのだ
私の性が叫んでいたのだ

続く呼吸の居場所を探して
旅したのだ

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。書き残すのは、生きているから。