さよならの豊かさ

最近わりと切ない曲をよく聴いているなと思う。切ない洋楽。けれどバラードではなくて、少しアップビートの淡い感じ。

内容は失恋みたいなものもあるし、過去を懐かしむものもあるし、曲自体はポジティブだけど自分の思い出に紐付いていてそれが少しセンチメンタルなものだったりするのもある。

誰かにさよならと言えるのは、その人が見知らぬ人ではないからだ。そりゃそうだ。ただ道ですれ違った人に、僕らはさよならも言えやしない。ただ目を合わせるか合わせないかして、すれ違うだけだ。

僕らは出会いと別れを繰り返して生きていくわけだけど、別れることなく出会いだけが積み重なっていくってケースは、殆ど無い気がしている。

もしも僕が小学生の頃の仲良したちとずっと仲良く毎日過ごし続けていたら、中学生の頃の仲良したちにも、大学生の頃の仲良したちにも、出会えなかったんじゃなかろうか。

ある種の、永久ではないにせよ、例えば環境の変化に伴う別れが、新しい出会いのきっかけを生み、僕らは新しく誰かと仲良くなる。

その当然を僕らはわりと忘れる、或いは軽く捉えて、相対的に別れをとても重いもの、悲しいものにしがちなのかもしれない。

別れは切ないものだけど、そんな悪いことばかりじゃないよねというのを、切なく淡いアップビートの曲たちはよく表現してくれている。

誰かに心からのさよならを言えるのは、とても豊かなことだと思う。

そうして僕らはまた、新しい人に出会うのだから。親しくなった人達との思い出を胸に。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。すれ違うだけでも、すごいことなんだけどね本当は。