ミュージシャンが壇上から言う「愛してるよ」と、あなたが私に向かって告げる「愛してる」。同じ顔して違う味。
いつかの夏に一緒に食べたカレーライスと、熱帯夜の今宵に独りで食べるカレーライス。同じ顔して違う味。
重々承知で、信じる人。信じたふりして笑う人。別にそのどちらにせよ罪はなく、或いはいずれも罪深く、同じ顔して違う人。
今日の空も、あなたの気持ちも、同じ顔して昨日とはもう違うのでしょう。
いつもと同じふりをした朝焼けに染まりながら、新しい歌を鳥たちが口ずさみ始める。
僕はただそれを眺めては、少しだけ清々しい気持ちになった。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。言葉の起源は歌なのではないか、と本に書いてあって、そうか、と思っていたら一行目が降ってきた。