ゆく

段々と整っていく部屋を見て
私はここに暫く居たのだと
分かってゆく

暮れていく空を見て
海辺の街に居たのだと
思い出してゆく

過ぎ去っていく年月と
誰に背中を押されたでもない人生と
それでも何故か
夢見ることを未だ忘れぬ心と共に
歳老いてゆく
旅してゆく

例えば幾らかの食料と
書くもの描くものと
ギターを背に乗せ
揺るがぬ友と家族への手紙を時折認め
生きてゆく

必要なもの
大切なもの
独りで抱えられる程度の物事を
鞄に詰めて
向かってゆく

窓から入り込んだ風と共に
新しい詩を書き
旋律を加えて奏でながら
過ごしてゆく

誰に聴かせるでもなく
誰と合わせるでもなく
ただ一つ持ち得た自分と共に
旅してゆく

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。とても大事な、生き方の話をしているつもりです。