朝、寝坊した声と共に目覚める。
食堂のようなところで、珈琲を一口飲む。
朝食をとっている知らぬ誰かが「このポストカード貰っていいみたいよ」と教えてくれる。
一階のカフェで珈琲を飲む。
確かカフェラテを、頼んだだろうか。
暫くロビーのソファに座る。
街へ出る。
十二年前、歩いた道を思い出す。
過ごした緑道を眺める。
八年前、独り過ごしたカフェへ入る。
窓側の席に座り、もしくはカウンターの席に座り、赤いカバー、無地のノートに何か書いていたのだろう自分を見つめる。
新しい靴を買いに、
再び街を歩く。
この忙しなさを、
過去の自分に見せてあげられたらいいのになと思う。独りじゃないよと、伝えられたらいいなと思う。
歩きながら向かいながら、「新しい靴を旅先で買うのは縁起が良さそうじゃない?」と言われ、確かになぁと思う。
十年前シアトルで買った靴と同じものを、ポートランドで買う。とても嬉しく、誇らしい。
お土産をいくつか買いに再び本屋へ、そして珈琲豆やパーカーが欲しくてホテル一階のカフェへ向かう。
前よりも随分と、この街と親しくなれた気がする。うん、また来たいなと思う。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。シアトルへ帰る電車に乗り遅れ、そのおかげで駅員さんとのんびり雑談し仲良くなったり、川向こうの行ってみたかったカフェにも行けて、大満足の小旅行でした。「時間に遅れるのは良くないことだが、そのおかげで君にこうして会えて仲良くなれたの良いことだったよ」って、駅員さん。そんなあなたに救われた心地です。また会えるといいな。