ねぇマイフレンド

もう二十年来になる親友の結婚式でした。
一人の人間にとって、一生涯残るだろう大切な思い出の日に、こうして共に確かに近くに居れることの美しさたるや、言葉になどしてたまるものかと思いつつも、こうして少しだけ、書き残しておくことを選ばない方が愚かだろうと思い書いている次第です。

どんな式だったかとか、そういうことは当日その場に居た人たちが語り継ぐことにこそ、素晴らしさ、尊さが宿るものだと思います。

僕にも、友人代表スピーチというものをする機会を貰い、その場で語った言葉たちがありますが、それもここで書くことなく、居合わせた方々が各々の言葉で思い出すことにこそ、美しさが宿る気がしています。

普段から、言葉をつくるということと、不特定多数の人へ届く場にそれを置くということは、僕にとっては殆ど同義のものになっていました。けれど今回のように、プライベートな場で、特定少数へと向けてつくった、描いた言葉たちもまた、とてもよいものだなと改めて感じています。

そしてやはり、特定少数、例えばたった数人、或いはたった一人、あなたへ向けての言葉を考え、つくること程、難しく、楽しく、新鮮なことはないのかもしれない。

毎日不特定多数、もしくは特定多数の人々を意識し書くことの大切さも去ることながら、何日もかけて、たった数人、もしくは一人へ向けての言葉を考えることの大切さもまた、確かにあるのだと痛感しました。

ハワイ、ホノルルに来てから十日間を過ごし、親友とパートナー、そこに集まる人たちの顔を思い浮かべ、言葉たちを少しずつ集めて、考えて、作っていく。あぁなんて有意義で、美しい時間だったのだろう。今振り返り、そう思えることが、そしてちゃんとその言葉たちを届けることができたことが、何より嬉しい今日でした。

改めて、親友へ、夫婦へ、
結婚式に集まった方々へ、
そして日々僕が書く、つくる言葉を読んで下さる方々へ。

あなたのお陰で、僕はまた少し言葉と仲良くなれた気がしています。本当にありがとうございます。ありがとう。

あぁそして本日も、
替えの利かない今日という日にさえも、
偶然にせよ必然にせよ、僕のつくった言葉たちを読んで下さりありがとうございます。結婚式の内容に関わることを書くのは、野暮でしょうよと思いまして、最小限、そして最大限の感謝と共に、どんなに僕にとって素晴らしいことを体験したかを、書き残したかった次第です。せっかく日々を費やし考えた僕のスピーチ?大丈夫、光る言葉は人から人へ、僕らの意思などお構いなしに、きっと伝わっていくものですから。ねぇマイフレンド。それでは、マハロ。