海辺の一時

いくつかを諦めて
私はここに生きている

自覚が無くとも
時間とは常に残忍

知らぬ間に失われるなら
知ってなお失うことを選びとる
その上で得る一つと知りたい

得るとは失うことなのだと
朝が故の夜のように
夕焼けが故の朝焼けのように
今ここで生きることにただ
意思を確かに注ぎたい

日常が消し込もうとする可能性
いつも通りが蝕む希望の類

一つ
この一時に一つだけ
掴むなら何か

美しく沈んでいく陽の光を眺めて
優しく打ち寄せる波音と共に過ごし
思う一時のこと

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。海を見ながら少し思ったことでした。