“否定的なこと言わないのもいいところだよね”。ふいに帯に書かれた言葉に目が留まる。
中高の頃からの親友が、僕の詩集の一つのために書いてくれた言葉の一部。
そういう人と、これからも仲良くなりたいもんだなぁと、歩きながら思う。
元を辿れば、母の影響や、小学校や中学校で初めは上手くみんなに馴染めなかった経験が、僕をそうさせているのだろうな、などと少し思い返す。
父にしても、そこまで言葉数が多い方ではないが、誰かの悪口や愚痴をはじめ、汚い言葉を使っているのを見た記憶が今思えば全く無い。
きっと父にしても母にしても、職場や友人との間では少なからず人を小馬鹿にしてみたり、怒鳴り合ったりみたいな経験もそれなりにしているのだろうに、それを子供達に見せず、小さな僕らが友達から仕入れてきただろう人を蔑む言葉を晩御飯のときの会話で軽く使おうものなら、ちゃんと本気で叱ってくれたりしながら育ててくれたというのは、今となっては感謝せずにはいられない。
そんなことを思い返しては、あぁやはり、緩やかで優しく、楽しい言葉をなるべく上手に使いながら、これからも生きていきたいもんだなぁと思う。
蔵前の美しい夕暮れ時。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。否定的なことを言うにしても、言い方があるのだと思います。否定的なことを言わざるを得ない場面も、生きていればあるわけですしね。