優しさ探しの詩

優しさを探している

お湯を沸かし豆を挽き
香りが飛び立つ様を眺めるたびに舞い降りるそれを
いつの間にかどこかへと消えていくそれを
探している

出会いと別れを繰り返しては
そのくせ同じことなどないままに
やり直しもできないままに
その都度手探りの優しさで
生まれたての優しさでおぼつかないまま抱きしめている

優しさを探している

それは昔確かに僕の周りに
遊び疲れたおもちゃと共に散らかっていた
知らぬ間にかけられていた掛け布団と共に
僕を静かに見守ってくれていた

作り方も育み方も
探し方も使い方も
誰に教わった覚えもないまま本当は
ちゃんとじっと眺めていたから知っているこの瞳

優しさはもしかすると
一緒に食べたカレーライスの中
手を差し伸べた階段の下
笑顔で交わした言葉の裏で
今日も静かに暮らしている
おはようとおやすみなさいの音色の上で生まれては
飛び跳ねている

明日も見つけられたらいいな
出会えたらいいな優しさ

本日も落書きを読んでくださりありがとうございます。優しく、生きていきたいもんです。