語らい過ぎて、気がついたらこんな時間だとか思い乗り込む深夜のタクシー。都内某所。
あっという間に一人になって、家路につくべく告げる行き先。運転手が語り始めた生まれの話。
偶然出会ったその人が、全く同じ町の生まれだという奇跡に互いに驚きながら、あの角に昔は図書館が、公民館が、中華料理のお店があったんだって教えてもらい思いを馳せる町の昔。
静かな夜を眺めながら、描いていく町の記憶、僕自身の幼かった頃の記憶。父母がいて、爺ちゃん婆ちゃんがいて、弟と歩いていった商店街。七のつく日に催されてた縁日の灯り。
ちゃんとずっと、自分の中の何処かに仕舞ってあった温かい町の記憶が僕を包む。
気付けば孤独な都会の夜を通り抜けて、今日も辿り着いた町。幸せの一つの所在。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。マイ・ホーム・タウン。