旅して香る

帰ってきたなと思うことも
なんだか少し違う気もして
寂し気に仰ぎ見る空
いくつかの星

そういえば
この街の香りはそうだったとか
この道の明かりはこうだったとか
この声はそうかこんなに優しかったんだとか

忘れていたわけでもないが
覚えているつもりもなかったもの

新しさとは
懐かしさを教えてくれるパフューム
その間を揺らめいて
今の好みを確かめゆく私たち

慣れればいともたやすく
わからなくなる自分の香り
いつもの風景
いつもの人々

あぁだから時折
旅に出るんだね
忘れるために
思い出すために

ひとり頷く夜空の街角

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。ちゃんと旅することの、大切さ。