夏よおまたせ

暑さにかまけて
投げ出したいつかの感情
誤魔化したくて口にするストロー
吸い込むカップに残った氷
とうに飲み干してたんでしょ

耳を塞いで聴き出すのは
本音みたいな誰かの新曲
聴きたかったんじゃなく
聴きたくなかったんでしょ

街の爆音
知らない誰かの痴話喧嘩

夏よ何処かで待ってておくれよ
夏よいつかの私を覚えているかい

陽炎の先
見つめたならまた会えるだろうか
いつかの夏よ

分かって欲しい事など無くて
言いたいことなど特に無くて
ただ駆け出して
ただ笑っていたんだ海の先
青空の下
真夏の夜の深く深く

聴いていたのは夏の声
波風の音
花火の歌声
隣に座った季節の気配

夏よきっと
今年もきっと
何も分からぬまま海辺
駆けていく私の先で
待ってておくれよ溶けながら
ゆらゆらと揺れながら

サイダーみたいに燥いだ心で
迎えに行くから

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。夏という季節は確かに巡り巡ってやってくる。けれども夏という思い出たちを迎え入れ、泣き笑うのはいつだって僕であり、あなたであるのだということ。「夏よおまたせ」なんて言いながら。思いながら。手を振りながら。