変化の杞憂

希望の歌を
珈琲に溶かして飲み干す

絶望の声を
甘いお菓子と共に飲み込み忘れる

時間は確かに過ぎてゆき
いつの間にやら朝が来て
昼が過ぎて夜になり
夜更けにお湯を沸かして珈琲を飲む

あの人は元気だろうかと
ふと思う
今宵は一体何度目の夜だろう

夜が美しいのは
黒を望む心の内があるからか

朝焼けが美しいのは
照らしてくれる光を望む心があるからだろうか

走り去っていく今を
ただ何も考えずに眺めているだけならば
きっと変わってゆく人や街がよくわかる

変わらぬ人が
一番変化に敏感で
変わりゆく人はきっと
変わらぬ人に敏感だ

進んでいくのは世界か私か
誰かかあなたか

今望んでいるのは
止まったままの美しさか
進みゆく清々しさか

変わらぬ何かか
変わりゆく何かなのか

そんな二者択一だと考え始める時点で既に
狭い視野だと思えたらいいのにな

あははと笑って
変わらぬ何かも
変わりゆく何かも
大切に思ってゆけるに越したことはないのだろうから

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。進まぬ誰かを叱咤する人が居たかと思えば、変わりゆく誰かを嘆く誰かも居るわけで、よくよく思えば自分勝手な人のなんとまぁ多いことだろうかと笑えてきたりもする今日この頃。