暗闇の詩

書きかけの原稿を映したままの画面、飲みかけの珈琲が残ったマグカップ、読みかけの本が積まれた机の片隅。

中途半端な思考の欠片で埋め尽された頭の中、埋もれた私は寝ぼけ眼で机の上から世界に目覚める。

起き上がり無心のまま挽く珈琲豆。交わす会話の甘い香り。此処が夜なのか朝なのかも曖昧なまま、暗闇を呼吸する。

染まっていった世界はどうして、時折悲しく切なく笑う。季節が移ろいゆく最中、見つけた微笑みが癒やす束の間。

この旅の果て、この掌が掴むのは一体何なのか。この瞳が映すのは果たしてどんな景色だろうか。その希望だけを頼りに、吸い込んだ闇を光に変えて吐き出し生きる。

希望の歌は聴こえてこない。それは自らが歌うべきなのだと知っている。奏で進んでゆくために、この束の間から再び立ち上がり、やがて征く。

本日も落書きを読んで下さり有り難うございます。強くなりたいとは思わない。ただどんなときも優しく在れる強さを忘れず生きていきたい。