社会からの帰り道

帰り道
少し先の駅まで歩いてみる

人通りも少なく
ただ自分の足音と吐息が聴こえる

きっと今
誰も僕のことなど見ていない
そんな自由の実感は
やけに冷たく
そしてとても優しいものだ

吹き抜ける風は世界の狭間の存在を
広がる闇夜は自分自身の脈打つ命を
僕に知らせる

他人の目から
社会の声から閉ざされた
暗い夜道を伝って僕は僕へと向かってゆく
帰ってゆく

人生とは
この世界に生まれ落ち
やがて迷子になった僕たちが
純真無垢な自分自身への帰り道をゆく物語だったりしてと
思ってみたり

何を言ってんだろうかあははと
誰もいない心の内で笑ってみては
帰り道を歩いてゆく

本日も落書きを読んでくださりありがとうございます。自分が生きてることすら忘れがちな現代社会なものでして。