七十億の彩度

七十億個の今日が織り成す
世界という名の美しさ

その輝きを垣間見る
その暖かさに思わず微笑む

世界の果ての何処かで起こる数多の奇跡
この街の何処かで行き交う会話たち

自らもその一つなのだと
忘れて過ぎ去り羨む今日も在るけれど
その今日ですら
世界を象る一つの日には変わりなく
晴れ渡った空の下には変わりなく

故に
あなたが眺める世界とやらは常に未完で
最後の欠片はあなたの今日だ

画面の向こうで
美味しそうに誰かが食べるステーキも
あなたが食しその味を確かめるまで
美味しそうなだけの何か

美しそうに誰かが収めた絶景も美男美女も
あなたが訪れ出会い真意を胸に浮かべるまでは
美しそうなだけの何か

幸福で満ち足りた一日
怠惰のまはまに過ごした今日
平和と平凡の境界線の上の明日も
悲しさに塗り潰されたいつかにしても
あなたが過ごした確かな今日なら
それは世界という名の美しさを
共に象る鮮やかな彩り

七十億個の今日という彩り

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。三賀日で感じた世界の話。