お酒を夜遅くまで飲んだ翌朝、記憶を飛ばしてキョトンと目覚める。そんな友人達の話を聞くたびに、少し羨ましくなる自分がいる。
そして時々、「記憶よ無くなれ!」などと内心願いながら美味しいお酒を飲んだりもするが今の所願い叶わず。愛想良く楽しく、少しお喋りになった自分で過ごした夜の鮮やかな記憶と共に朝目覚める。
それの何が悪いわけでも、嫌なわけでもない。むしろ安心感すらあるのも事実で、僕とお酒を飲み交わす人々は無用な心配をする事も無いだろう。
ただ、なんというかそれが僕にとっては、自分は結局自分の想像の範疇でしか、思考の範疇でしか楽しむことを僕は知り得ないんじゃないかとも思えて、ほんの少し、ほんの少し、悲しくもなる。
自分の想像を超える自分に出会う喜びと驚きを求める自分にとって、果たして酔いの先にある記憶に残らぬ時間が吉と出るのか凶と出るのかは知ったこっちゃないけれど、少なくとも普段の自分という輪郭の境界線をぼやかし少しはみ出していくというのは、そんな簡単なことでも、気楽なことでも無く、なかなかに難しいことだと思うんです。酔っ払いのそれが素晴らしいかは別として、ですが。あはは。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。だけど結局、楽しかったことは覚えておきたいし、過ぎ去った後も後悔することなく生きていきたいから、やっぱり何も忘れたくはないなぁと思い至る、いつもいつもの僕であります。