取るに足らない世界の話

多分世界はもっと広い。
きっと世界は僕の目に映る限りを遥かに超えて輝いている。

この耳に届いた小さな声の優しさや、繋いだ手の暖かさと同じだけ同じ程に、素晴らしいことが今も何処かで僕をあなたを待っている。

悲しみに暮れたいつかの僕がそう信じたっていいくらいには、どうやら世界は広くて深くて高くて繊細だ。

苦しみの中に居たいつかの私が思わず顔を上げてしまうくらいには、夕日も朝日も空も海もふざけんなって思わず笑えてしまうくらいに、限りなく美しい。

大丈夫。何処かできっと終わりは来るさ。
ならばいまひと時は、せめて大いに世界の豊かさに溺れて、当て所無くその深淵まで流れていったっていいかもしれない。

どんなに着飾ったとしても、どんなに知識を経験を蓄えたとしても、僕ら皆世界の果ての小さな小さな一人とひとり。

取るに足らない、儚くて美しい、唯一無二の、たった一人。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。取るに足らない一人から、僕ら世界はここまで来た。