友と喧騒と薔薇

テラス席に座って街が夜になっていくのを眺めながら、話をしていた。

久しぶりに、人のために花を買う予定ができたことを思い出す。何色の花を買おうかと心の何処かで考えながら、話し続ける友と居る。

夕焼けはあっという間に何処かにいって、まだ6時だというのに空はもう重く黒い。

道をゆく人々が増えていくにも関わらず、相変わらず心地よい風と街の喧騒が僕の横を丁寧に吹き抜けていく。

珈琲を啜り飲み友が発した言葉たちが、喧騒に紛れて僕へと届く。

その時ふと、「そうだ、赤い薔薇にしよう」と思う。

友の話に相槌を打ちながら、一輪の赤を思い浮かべる夜の街角。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。街の喧騒が心地よいと思うこともあるんですよね。