檸檬色の瞳
白い肌
長い黒髪
小学生と中学生の物語であるはずの言葉たちが、
やけに艶かしくて鮮やかで、
空想の妄想の世界が繊細に色づいていく。
残酷で、けれどそれ以上に、
この中で私も生きていたいと思うほどに、美しい世界。
言葉たちがどこか、一言一句を読まずとも良いよと言ってくれているようで、
音楽のリズムのように跳ねて、ページをめくる私の手を連れていく。
思わず、私は何色だろうか。と思う。
薄茶色の瞳
少し白い肌
肩に掛かるくらいに伸びた髪
心のどこかに抱えた孤独
「好き」という感情
家族の暖かさ
子供の頃見た風景たち
私の中にも確かにあるそれらが、
色鮮やかな言葉たちで綴られていく。
余韻は読者の瞼の裏で鮮やかな檸檬色を纏った彼女となって、
きっと暫くそこにいるのだろう。
美しく儚く、
青春の証明として、そこにいるのだろう。
本日も落書きを読んでくださりありがとうございました。
ハッピーエンドじゃない作品を、こんなにも美しいと思ったのは一体いつぶりのことだろう。